東京映画日記

主に映画のレビューについて書きます。

アンダー・ザ・シルバーレイク

ヘンテコサブカル野郎の地獄めぐり<ちょっとネタバレかも>

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作品データ

原題 Under the Silver Lake 製作年 2018年 製作国 アメリカ 配給 ギャガ 上映時間 140分 映倫区分 R15+

監督 デビッド・ロバート・ミッチェル 製作 マイケル・デ・ルカ クリス・ベンダー ジェイク・ワイナー アデル・ロマンスキー デビッド・ロバート・ミッチェル 製作総指揮 ダニエル・レイニー ジェフリー・コンビッツ ジェフ・ジョフレイ キャンディス・アベラ・ミカティ アラン・パオ ルーク・ダニエルズ トッド・レミス デビッド・モスコー 脚本 デビッド・ロバート・ミッチェル 撮影 マイケル・ジオラキス 美術 マイケル・T・ペリー 衣装 キャロライン・エスリン=シェイファー 編集 フリオ・C・ペレス4世 音楽 ディザスターピース 音楽監修 マイケル・ターナー

キャスト

アンドリュー・ガーフィールドサム
ライリー・キーオサラ
トファー・グレイスサムの友達
ゾーシャ・マメットトロイ
キャリー・ヘルナンデスミリセント・セヴェンス
パトリック・フィッシュラーコミック・マン
グレース・バン・パタンバルーン・ガール
ジミ・シンプソンアレン

解説

「イット・フォローズ」で世界的に注目を集めたデビッド・ロバート・ミッチェル監督が、「ハクソー・リッジ」「沈黙 サイレンス」のアンドリュー・ガーフィールド主演で描いたサスペンススリラー。セレブやアーティストたちが暮らすロサンゼルスの街シルバーレイク。ゲームや都市伝説を愛するオタク青年サムは、隣に住む美女サラに恋をするが、彼女は突然失踪してしまう。サラの行方を捜すうちに、いつしかサムは街の裏側に潜む陰謀に巻き込まれていく。「私たちは誰かに操られているのではないか」という現代人の恐れや好奇心を、幻想的な映像と斬新なアイデアで描き出す。サラ役に「マッドマックス 怒りのデス・ロード」のライリー・キーオ。

映画.comより引用


予告編

[鑑賞データ]

新宿バルト9にて字幕版を鑑賞しました。

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客席はほぼ満席。

テーマ「ハリウッド式地獄めぐり」

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映画.comより引用

ヒッチコックやその他映画へのオマージュがすごい」とか「ポップカルチャーサブカルチャーへの愛がすごい」とかその辺の意見は実際多くの人が書かれていますし、そういう感想を持つ人も多いと思うので、その辺の意見は町山智浩さんなどの意見を参考にしていただいたり、劇場用パンフレット(買ったほうがいいです。)にかなり詳細に本作に出てくる「キーワード」たちが記載されているのでそこをCHECKしてください。

 

基本的には、適当に生きている中年になりかかった主人公が恋したことをきっかけに妄想に取り憑かれて、その妄想に従ったまま行動したために、いろんなトラブルに巻き込まれていくというお話です。

ラ・ラ・ランド」が「中心から眺めるロサンゼルス」だとすれば、本作は「淵から眺めるロサンゼルス」といった感じでしょうか。

 

主人公は都会によくいるダメな「もう若くはない人」

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主人公は「アメイジングスパイダーマン」の主人公ピーター・パーカーを演じたアンドリュー・ガーフィールドです。

この主人公は夢を追って都会に出て来たはずなのに、大して努力していない(していたけどしなくなった)けど、その夢と都会にしがみついてうだうだ生きてる人です。(そんな人いっぱいいますね。)

 

以下この主人公の主な行動です。

・夢を追ってるはずなのに具体的な行動をしていない。
・家賃を滞納して5日以内に支払わないと強制退去することを迫られている。
・お金がないくせにフォードマスタングなんかに乗っている。
・双眼鏡で同じアパートの住人を覗き見。
・いくらいたずらされたからって子供に本気で暴力を振るう。
・不法侵入。

 

など、主人公の問題行動を挙げたら枚挙に遑がないんですが、結構これって男が持ってる欲望を「誰も見ていないからやってしまっている主人公」ということで、実はすごく映画的な主人公だと思います。

 

そしてこれは別に悪いことではないんですが、こういう人はかなりオタク気質です。

この主人公サムも御多分に洩れず、「映画」「音楽」「ゲーム」のオタクです。

つまり、かなり「ファンタジーの世界の住人」ということがわかります。

だから、どんどん妄想に取り憑かれて「ひょっとして俺のうだつが上がらないのは誰かのせいじゃないか?」という妄想にたどり着くのです。

 

回収されない伏線としょうもない下ネタ

この映画は、伏線なのかなと思っていると全く解決しないまま「で、その後どうなったの?」となるようなものが結構多いように思います。

 

それは、無数の物語が作られているこの街では、あなたの知らない話もたくさんあるし、枝葉のようにつながっている話もあるということを暗示しているように思えました。

 

結構でしょうもない下ネタが満載で劇中マクガフィンのような役割になる箱があるんですが、中身はディルドだったり、子供が主人公の車にするいたずらがチ◯コだったり、しょうもない下ネタが結構笑えます。

 

 

The Last Book Store

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この主人公が妄想を抱くきっかけとなったZine(同人誌)を購入する本屋があるのですが、そこの本屋が素敵すぎるのでちょっと紹介します。

ザ ラスト ブックストア(The Last Bookstore)は2005年にロサンゼルスのダウンタウンのロフトで創業。現在はサウス・スプリングス通りとウェスト5th通りが交差するところで営業する本屋。古本や中古レコードも販売しており、品数は250,000点を超える大型店舗。銀行だった建物を活かし重厚な柱や金庫もディスプレーとしているユニークな店で有名になる。アマゾンなどのオンラインショップや電子書籍によって物理的な店舗が恐竜化していく中で生き残るどころか活性化していくのは希少な例で、ザ ラスト ブックストア という皮肉めいた店名がマッチしている。(Link-USAより引用)

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レジカウンターも本が積み上げられたもので出来ていてかっこいいのですが、劇中ではここの店員が来ているTシャツがイカしてました。

 

関連作品など

 

本作のデビッド・ロバート・ミッチェル監督作品「イットフォローズ」です。

パンチの効いたホラー映画で結構怖いです。

確かアマゾンプライムビデオで観れたと思います。

あとhuluでも観れた気が。。

 

 ニルヴァーナの代表曲「Smells like teen spirit」が収録されてるアルバムNevermind (Remastered)です。

このジャケ写とこの映画に出てくるプレイボーイの表紙ってちょっと似てますね。

その辺りもひょっとしたら狙ってやってるんでしょうか?

 

まとめ

主人公と同世代の私にとってはまるで自分を見ているような映画でした。

オススメ度

(★★★★★)5点満点中

こんな人にオススメ

・主人公と同世代のサブカル好き
ヒッチコック好き
・都会で夢を追っているはずがその日暮らしになってドツボにはまっている人