東京映画日記

主に映画のレビューについて書きます。

2018年シネマランキング

2018年に観た新作映画ランキング

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 ご挨拶

今年もいよいよ大晦日ですね。

みなさんは今年どんな映画を何本観ましたか?

適当に始めたこのブログも多少アクセスが入る様になり、誰かに読んでもらえると分かっただけで、続ける意欲になります。ありがとうございます。

今年私は110本の新作映画を劇場で観たのですが、いろいろ仕事がバタバタしていたこともあり全ての映画の感想を書く事が出来なかったのが、残念ですね。。

なんとかこの年末年始の間に、書ける分は書いていこうと思います。

来年の目標はできるだけ観た映画の感想は書こうと思っています。

個人的に映画に順位をつけるのってどうかとも思うんですが、人のランキング見るのって結構楽しいんですよね。

 

それでは発表前にまずは。。。

今年観た映画リスト

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2018シネマランキング

さて、いよいよ発表します。

hulu

10位:アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダル

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才能はあるが、周りの環境が悪かった残念。という天才スケーター「トーニャ・ハーディング」の伝記映画。

周囲の人間がバカ、利己的、暴力的、と映画的脚色はもちろんあったでしょうが、ここまでひどい中トーニャはよく頑張ったよという感じです。

 当時の事件をうっすら覚えているだけに余計楽しめました。

ぼくの感想はこんな感じ

 

9位:犬ヶ島

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ウェス・アンダーソンによる可愛くも狂った日本描写のストップモーションアニメ。

情報量がめちゃくちゃ多い作品なので、結構何回も観ないと全部の情報は見つけられないと思います。

 

8位:ウインド・リバー

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インディアン保留地でおこった殺人事件を、派遣されたFBI捜査官と友人の娘を殺された地元のレンジャーが力を合わせて捜査するが、ここは広大な敷地に警官6名しかいないという僻地。法が及ばない地という意味ではまさに現代の西部開拓時代のような物語。

 

7位:へレディタリー/継承

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風変わりな一家の長のおばあさんが亡くなり、どうもそのおばあさんは怪しいカルト宗教の信望者だったらしくそこから始まる家庭内の地獄。

家族という呪いが凝縮された本当に嫌な映画。

ぼくの感想はこんな感じ

 

6位:ミッション:インポッシブル/フォールアウト

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超人的な男トム・クルーズが演じるイーサン・ハントの超絶アクションと疑似家族ともいえる彼のチームが今回も大活躍というか、大炎上というかとにかくシリーズ屈指の気が触れたスタントの数々をサーカスを見るような感じで眺める映画。

 

5位:バッド・ジーニアス 危険な天才たち

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タイ発の「カンニング」というテーマをケイパーものとして見る事が出来る映画で、エンターテイメントとしても面白いのだが、タイの貧富の差だったり学校の仕組みだったり、タイという国についても教えてくれる興味深い映画。

僕の感想はこんな感じ

 

4位:フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法

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フロリダ版「万引き家族」ともいえる、アメリカの貧困シングルマザーの悲惨な日常を描いているのだが、子供の視点で描かれている点とディズニーリゾートの近くで気候もいい土地という点で、割とポップな絵作りをしている異色作。

子役の演技がかなり秀逸。

 

3位:パティ・ケイク$

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太っていて貧乏でラッパーとして成功を夢見る白人女性が主人公で、アジア系のラッパー仲間、黒人のトラックメイカー、祖母と共にラップグループを結成して成り上がろうとする言わば「負け犬たちのワンスアゲインもの by宇多丸師匠」

田舎の嫌な感じ、家族の嫌な感じ、恋の嫌な感じ、総じて青春の嫌な感じがたくさん出てきますが、全部回収してくれるラストが待ってます。

ぼくの感想はこんな感じ

 

2位:アンダー・ザ・シルバーレイク

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田舎から夢を見てハリウッドに出てきた男が、30過ぎても定職につかずその日暮らしをしているが、うだつが上がらないのは陰謀なんじゃないかと思い出し、陰謀論にとりつかれてその謎を解き明かそうと足掻く数日の話。

万人受はしないと思うけど、楽しめる人にとっては中毒性が高い映画だとおもいます。

 ぼくの感想はこんな感じ

1位:愛しのアイリーン

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田舎の寒村の独身の結婚をしたい中年男が、これまでの生き方を全否定されるような出来事をきっかけに、フィリピンに嫁を買いに行き、本能のままに欲望の赴くままに突っ走って人生から墜落していく様子とそれに巻き込まれて大変な目に遭うフィリピン人妻と主人公の周囲の人を描く作品。

今まさに雪国でこのブログを書いてますが、本当に嫌だけど心に突き刺さる映画。

ぼくの感想はこんな感じです

 

2018年の総括

基本的にひどい状況、環境で巻き起こる騒動や目も当てられない事件などを扱った映画が面白かった一年のような気がしました。個人的に僕自身がその手の映画が好きってせいもありますが。

みなさんのランキングはいかがだったでしょうか?

あと、今年もムービーウォッチメンの課題映画を完走できたのがよかったですね。

来年もいい映画がたくさん観れるといいなぁ。

それではよいお年を!

 

 

2018年まだまだあったインドの名作映画。偉大なインドのビジネスマンはお金のことなんか考えていなかった!映画「パッドマン」感想

映画「パッドマン」感想

2018年まだまだあったインドの名作映画。偉大なインドのビジネスマンはお金のことなんか考えていなかった!

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作品データ

原題 Padman 製作年 2018年 製作国 インド 配給 ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 上映時間 137分 映倫区分 G

スタッフ

監督 R・バールキ
脚本 R・バールキ
撮影 P・C・スリーラム
音楽 アミット・トリベディ

キャスト

アクシャイ・クマール ラクシュミ ソーナム・カプール パリー ラーディカー・アープテー ガヤトリ アミターブ・バッチャン

解説

現代のインドで、安全で安価な生理用品の普及に奔走した男の実話を映画化したヒューマンドラマ。インドの小さな村で最愛の妻と新婚生活を送るラクシュミは、貧しくて生理用品が買えず不衛生な布を使用している妻のため、清潔で安価なナプキンを手作りすることに。生理用品の研究とリサーチに明け暮れるラクシュミは、村人たちから奇異な目を向けられ、数々の誤解や困難に直面する。そんな彼の熱意に賛同した女性パリーの協力もあり、ついに低コストで大量生産できる製造機の発明に成功。農村の女性たちに、ナプキンだけでなく、その製造機を使って働く機械も与えようと奮闘するラクシュミだったが……。主演は「チャンドニー・チョーク・トゥ・チャイナ」のアクシャイ・クマール。共演に「ミルカ」のソーナム・カプール

映画.comより引用


予告編

[鑑賞データ]

12/10(月)21:35 TOHOシネマズ新宿にて鑑賞しました。

客席は5割くらいでした。

テーマ「Mad only become famous」

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映画.comより引用

 

hulu

多少ネタバレあらすじ・雑感

昔大久保で働いていた時にグレートインディアンというカレー屋さんによく行ってましたが、まさにグレートインディアンのお話でした。

 

お話を雑に解説しておくと、愛妻家で地域の人望もある技術者ラクシュミ(アクシャイ・クマール)は妻ガヤトリ(ラーディカー・アープテー)が生理中に自分と離れて、部屋の外で生活しなくてはならないインドの風習が気に入りませんでした。

ある日妻の持ち物を見ると、薄汚れた不潔な布で生理の処理をしていることにショックを受け、妻のために薬局で生理用ナプキンを買い、さぞ喜ぶだろうと思って妻にプレゼントしますが、インドではナプキンが非常に高価でそんな高価なものを買っていると破産してしまうと、妻に返品してくるように言われてしまいます。

がっかりしていると、同僚が出血するほどの怪我をします。ラクシュミはその止血にナプキンを使おうとすると「そんなもの使うな」と同僚からは白い目で見られますが、緊急事態のため構わずナプキンで止血し、病院に搬送しました。

すると医者から適切な応急処置だったことを告げられます。

その医者に妻とのやりとりを話すと、インドでは汚い布のせいでで病気に感染する女性も多いという医者の言葉もあって一念発起、生理用ナプキンを自分で作ることを思い立ちます。

その日から友人の商店から綿や布を譲ってもらい試作品を作成し、妻に使ってもらいましたが試作品は失敗でした。 何度か失敗を繰り返していると、そのうち男であるラクシュミが女の生理用ナプキンを作っているという噂が広がります。

ラクシュミは意に介しませんが、何より評判を気にするインドの保守的な田舎でその噂が広がるのは、妻や家族にとって耐え難い屈辱でした。

ある日決定的な出来事があり、とうとう妻や妹たちは出て行き、ラクシュミも村から出ることを余儀なくされました。

しかし、一度火がついたラクシュミは大学へ行き、安くて性能のいい生理用ナプキンを作るにはどうすればいいのか研究の日々が始まるのでした。。。

 

ラクシュミが考えたこのビジネス、とっても良いと思うのが、 「困っている人がいる」→「その解決方法を見つける」→「広める」→「多くの人が助かる」→「雇用が生まれる」→「多くの人が助かる」というとてもいい循環になっていること。

しかも商売っ気が全然ない。

まさに「大事を成さんと欲する者はまず小事を務むべし」by二宮尊徳って感じですね。

 

そして、やっぱりこの映画最大の見所は終盤ニューヨークでラクシュミが行うスピーチシーンでした。

この全文はパンフレットを買うと掲載されているので、この映画をみて面白かった人は絶対パンフレットも買ったほうがいいと思います。

 

ラクシュミは最初、ただ奥さんを幸せにしたかっただけなんでしょうが、イデオロギーのギャップが激しすぎる状況の中ではただの「ヘンタイおじさん」と見られてもしょうがないわけで、それでも諦めないし取り憑かれたように研究をやめない姿は、もはやマッド以外の何物でもないように見えてしまいます。 偉大な発明をなしとげる人はきっとみんなどこかマッドなんでしょう。

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映画.comより引用

 

 

何人か協力者が出てきますが、唯一ラクシュミの行動に理解を示してくれたパリー(ソーナム・カプール)の存在はかなり大きかったですね。

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映画.comより引用

 

 

製造はラクシュミが頑張りましたが、拡散したりそれをビジネスとして成立させるのにパリーの存在は欠かせないものでした。 この妻のためにラクシュミは一念発起するのですが。。。

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公式サイトより引用

 

 

すごく感動した映画ですが、不満点もなくはないです。 いくら文化の違いなどあり、いくらやむを得ない事だとしても夫の元を去っておきながら、成功したらあっさり帰ってくるってどうなんだろう? まあ、ラクシュミがOKならいいのかなぁ。。。(母親、村人たちオメーらもだよ!)

関連

僕の中でインド映画の鉄板といえばアミール・カーン作品ですね。

 

バーフバリも大好きです。

 

ラクシュミ役のアクシャイ・クマールさんの主演作らしいです。僕は観てません。

 

 

まとめ

利他的な行動は大事だし、人を感動させることを再認識しました。自分も隣人に親切にしようと思う映画です。

オススメ度

(★★★★)4/5

こんな人にオススメ

・行き過ぎた親切は人を引かせてしまうと知らない人
・日本がどれだけ恵まれた環境かわかってない人
・自分は奥さんを大切にできているかわからない人

もしもシリーズ「もしもタイの刑務所にマイノリティとして入ったら?」というのを嫌という程味わえます。映画「暁に祈れ」感想

映画「暁に祈れ」感想

もしもシリーズ「もしもタイの刑務所にマイノリティとして入ったら?」というのを嫌という程味わえます。

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作品データ

原題 A Prayer Before Dawn 製作年 2017年 製作国 イギリス・フランス合作 配給 トランスフォーマー 上映時間 117分 映倫区分 R15+

スタッフ

監督 ジャン=ステファーヌ・ソベール
製作 ニコラス・サイモン ロイ・ボウルター ソロン・パパドプーロス リタ・ダゲール
製作総指揮 ジェームズ・シェイマス ジェニファー・ドン ウッディ・ムー ピーター・ワトソン
原作 ビリー・ムーア
脚本 ジョナサン・ハーシュビーン ニック・ソルトリーズ
撮影 ダビド・ウンガロ
美術 レク・チャイヤン・チュンスティワット
衣装 ルプタ・ウタマ
編集 マルク・ブクロ
音楽 ニコラス・ベッカー

キャスト

ジョー・コール ビリー・ムーア ポンチャノック・マブラン フェイム ビタヤ・パンスリンガム フリーチャー所長 ソムラック・カムシン スティン パンヤ・イムアンパイ ゲン

解説

タイの刑務所に服役し、ムエタイでのし上がることに成功したイギリス人ボクサー、ビリー・ムーアの自伝小説を映画化したアクションドラマ。タイで自堕落な生活から麻薬中毒者となってしまったイギリス人ボクサーのビリー・ムーアは、家宅捜索により逮捕され、タイでも悪名の高い刑務所に収監される。殺人、レイプ、汚職がはびこる地獄のよう刑務所で、ビリーは死を覚悟する日々を余儀なくされた。しかし、所内に新たに設立されたムエタイ・クラブとの出会いによって、ビリーの中にある何かが大きく変わっていく。「グリーンルーム」のジョー・コールが主人公ビリー役を演じる。監督は「ジョニー・マッド・ドッグ」のジャン=ステファーヌ・ソベール。

映画.comより引用


予告編

[鑑賞データ]

12/24(月)19:00 シネマート新宿にて字幕版を鑑賞しました。

客席は満席でした。

テーマ「地獄めぐり」

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映画.comより引用

 

hulu

多少ネタバレあらすじ・雑感

ムービーウォッチメンのウォッチ作品になったので、いそいそとクリスマス・イブの夜に見に行ってきました。

客席は満席でしたがそりゃあクリスマスにこんな映画を見にくる狼たちなので、カップルはおそらく一組か二組くらいで、あとは血に飢えた野郎どもの一体感が支配する劇場内でしたよ。

 

お話は、タイでムエタイやりながら自堕落なその日暮らしをしている主人公ビリー(ジョー・コール)で、薬もおそらく暴力的な犯罪にも手を染めていると思われ、ガサが入り拳銃の不法所持であっさり冒頭捕まるんですが、なんと収監された刑務所はマッドマックスばりの劣悪な環境でした。

全身どころか顔にも刺青が入っているヤクザが暴力的に仕切っていて、暑い中部屋のキャパを超えた人数がすし詰め状態で寝なければならず、弱みを見せると夜中にイカツイおっさんたちにレイプされてしまうという環境です。そんなおかしくなりそうな環境の中、刑務官は囚人相手にドラッグをわたし商売しているような奴もいるので、精神的にキツイ主人公は当然薬にも手を出します。

しかし、元々金を持っていないのにも関わらずヤクザから借りたり、ときおり訪れるニューハーフ(おそらく購買部販売員という名目で実質的には売春婦的な役割を担っている)から借りたりして借金がどんどん膨らんでいきます。 そんな時に刑務所内にムエタイのチームが発足します。 ヤクザから激しい追い込みをかけられていた主人公は、ムエタイチームに入り勝ち上がって金を返すことを目指すのでした。

 

 

いやー絶対こんな刑務所入りたくないですねー。あ、この映画を観た人100%の人が思う普通のことを書いてしまった。。

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映画.comより引用

 

 

最悪な刑務所を描いた映画とかドラマって結構ありますが、アメリカのものが多くて大体揉め事は人種に分かれていることが多いです。ここは、ほぼタイ人しかいない中に白人である自分が入れられるという完全マイノリティ状態ですからね。 しかも言葉が通じない。。みんな同じ顔に見える(つまりみんな敵に見える)ので、それは恐ろしいだろうと思います。

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映画.comより引用

 

ところどころタイ人たちが話す部分の字幕が出ていたんですが、それが最小限に抑えられていて観客のこちらとしても、タイ人が何を行っているのかがあまりわからない作りになっているので、擬似的に主人公と同じ状況に追い込まれることにより、何が起こっているのかがあまりわからないという所があえて説明しないことによる、主人公の恐怖と混乱具合、ストレスをうまく観客に伝えるのに成功していると思います。 主人公ビリーは薬のせいなのかストレスのせいなのかとにかく脳の本能的な部分しか使ってないという感じで、感情を顕にはしますが人間的ではなく動物的な感じでした。

 

刑務所内での憩いのひと時を貼っておきますね。

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映画.comより引用

 

あと、殴られる音、刺される音、犯される音とにかく音が本当に嫌な映画でしたね(褒めてます)

 

不満点もなくはないのですが、まず「ムエタイの大会に出て勝てば金が入るから」と主人公は借金取りに言いますが、賞金に関する具体的な金額に関する言及はなかったように思います。(ひょっとしたらあったのかな?) いくら借りていて、賞金がいくらだから返せるとかその辺の情報は欲しかったなと。 あと主人公の刑期を言い渡されるシーンてありましたっけ?裁判のシーンすらもなかったような。。。

関連

主人公ビリー役のジョー・コールが出ているネオナチとの攻防もの映画です。

 

最悪の刑務所の一つといえばアメリカでしょうということで。

 

刑務所ものの名作といえばやっぱりこれですね

 

 

まとめ

平々凡々とした人生を生きている僕には映画こそ刺激を与えてくれる存在で、この映画はそんな刺激を十分に与えてくれるものでした。

オススメ度

(★★★★)4/5

こんな人にオススメ

・最近刺激が足りないなと思っている人
・これから海外で調子に乗る予定の人
・アジアの刺青を研究している人