東京映画日記

主に映画のレビューについて書きます。

もしもシリーズ「もしもタイの刑務所にマイノリティとして入ったら?」というのを嫌という程味わえます。映画「暁に祈れ」感想

映画「暁に祈れ」感想

もしもシリーズ「もしもタイの刑務所にマイノリティとして入ったら?」というのを嫌という程味わえます。

f:id:WOOS:20181226112622j:plain

作品データ

原題 A Prayer Before Dawn 製作年 2017年 製作国 イギリス・フランス合作 配給 トランスフォーマー 上映時間 117分 映倫区分 R15+

スタッフ

監督 ジャン=ステファーヌ・ソベール
製作 ニコラス・サイモン ロイ・ボウルター ソロン・パパドプーロス リタ・ダゲール
製作総指揮 ジェームズ・シェイマス ジェニファー・ドン ウッディ・ムー ピーター・ワトソン
原作 ビリー・ムーア
脚本 ジョナサン・ハーシュビーン ニック・ソルトリーズ
撮影 ダビド・ウンガロ
美術 レク・チャイヤン・チュンスティワット
衣装 ルプタ・ウタマ
編集 マルク・ブクロ
音楽 ニコラス・ベッカー

キャスト

ジョー・コール ビリー・ムーア ポンチャノック・マブラン フェイム ビタヤ・パンスリンガム フリーチャー所長 ソムラック・カムシン スティン パンヤ・イムアンパイ ゲン

解説

タイの刑務所に服役し、ムエタイでのし上がることに成功したイギリス人ボクサー、ビリー・ムーアの自伝小説を映画化したアクションドラマ。タイで自堕落な生活から麻薬中毒者となってしまったイギリス人ボクサーのビリー・ムーアは、家宅捜索により逮捕され、タイでも悪名の高い刑務所に収監される。殺人、レイプ、汚職がはびこる地獄のよう刑務所で、ビリーは死を覚悟する日々を余儀なくされた。しかし、所内に新たに設立されたムエタイ・クラブとの出会いによって、ビリーの中にある何かが大きく変わっていく。「グリーンルーム」のジョー・コールが主人公ビリー役を演じる。監督は「ジョニー・マッド・ドッグ」のジャン=ステファーヌ・ソベール。

映画.comより引用


予告編

[鑑賞データ]

12/24(月)19:00 シネマート新宿にて字幕版を鑑賞しました。

客席は満席でした。

テーマ「地獄めぐり」

f:id:WOOS:20181226112852j:plain

映画.comより引用

 

hulu

多少ネタバレあらすじ・雑感

ムービーウォッチメンのウォッチ作品になったので、いそいそとクリスマス・イブの夜に見に行ってきました。

客席は満席でしたがそりゃあクリスマスにこんな映画を見にくる狼たちなので、カップルはおそらく一組か二組くらいで、あとは血に飢えた野郎どもの一体感が支配する劇場内でしたよ。

 

お話は、タイでムエタイやりながら自堕落なその日暮らしをしている主人公ビリー(ジョー・コール)で、薬もおそらく暴力的な犯罪にも手を染めていると思われ、ガサが入り拳銃の不法所持であっさり冒頭捕まるんですが、なんと収監された刑務所はマッドマックスばりの劣悪な環境でした。

全身どころか顔にも刺青が入っているヤクザが暴力的に仕切っていて、暑い中部屋のキャパを超えた人数がすし詰め状態で寝なければならず、弱みを見せると夜中にイカツイおっさんたちにレイプされてしまうという環境です。そんなおかしくなりそうな環境の中、刑務官は囚人相手にドラッグをわたし商売しているような奴もいるので、精神的にキツイ主人公は当然薬にも手を出します。

しかし、元々金を持っていないのにも関わらずヤクザから借りたり、ときおり訪れるニューハーフ(おそらく購買部販売員という名目で実質的には売春婦的な役割を担っている)から借りたりして借金がどんどん膨らんでいきます。 そんな時に刑務所内にムエタイのチームが発足します。 ヤクザから激しい追い込みをかけられていた主人公は、ムエタイチームに入り勝ち上がって金を返すことを目指すのでした。

 

 

いやー絶対こんな刑務所入りたくないですねー。あ、この映画を観た人100%の人が思う普通のことを書いてしまった。。

f:id:WOOS:20181226112846j:plain

映画.comより引用

 

 

最悪な刑務所を描いた映画とかドラマって結構ありますが、アメリカのものが多くて大体揉め事は人種に分かれていることが多いです。ここは、ほぼタイ人しかいない中に白人である自分が入れられるという完全マイノリティ状態ですからね。 しかも言葉が通じない。。みんな同じ顔に見える(つまりみんな敵に見える)ので、それは恐ろしいだろうと思います。

f:id:WOOS:20181226112605j:plain

映画.comより引用

 

ところどころタイ人たちが話す部分の字幕が出ていたんですが、それが最小限に抑えられていて観客のこちらとしても、タイ人が何を行っているのかがあまりわからない作りになっているので、擬似的に主人公と同じ状況に追い込まれることにより、何が起こっているのかがあまりわからないという所があえて説明しないことによる、主人公の恐怖と混乱具合、ストレスをうまく観客に伝えるのに成功していると思います。 主人公ビリーは薬のせいなのかストレスのせいなのかとにかく脳の本能的な部分しか使ってないという感じで、感情を顕にはしますが人間的ではなく動物的な感じでした。

 

刑務所内での憩いのひと時を貼っておきますね。

f:id:WOOS:20181226112849j:plain

映画.comより引用

 

あと、殴られる音、刺される音、犯される音とにかく音が本当に嫌な映画でしたね(褒めてます)

 

不満点もなくはないのですが、まず「ムエタイの大会に出て勝てば金が入るから」と主人公は借金取りに言いますが、賞金に関する具体的な金額に関する言及はなかったように思います。(ひょっとしたらあったのかな?) いくら借りていて、賞金がいくらだから返せるとかその辺の情報は欲しかったなと。 あと主人公の刑期を言い渡されるシーンてありましたっけ?裁判のシーンすらもなかったような。。。

関連

主人公ビリー役のジョー・コールが出ているネオナチとの攻防もの映画です。

 

最悪の刑務所の一つといえばアメリカでしょうということで。

 

刑務所ものの名作といえばやっぱりこれですね

 

 

まとめ

平々凡々とした人生を生きている僕には映画こそ刺激を与えてくれる存在で、この映画はそんな刺激を十分に与えてくれるものでした。

オススメ度

(★★★★)4/5

こんな人にオススメ

・最近刺激が足りないなと思っている人
・これから海外で調子に乗る予定の人
・アジアの刺青を研究している人