東京映画日記

主に映画のレビューについて書きます。

一人で見ちゃったけど面白かったよ。オリジナル作品未見の目線で語るリメイク版映画「サスペリア」感想

映画「サスペリア」感想

一人で見ちゃったけど面白かったよ。オリジナル作品未見の目線で語るリメイク版サスペリア

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作品データ

原題 Suspiria 製作年 2018年 製作国 イタリア・アメリカ合作 配給 ギャガ 上映時間 152分 映倫区分 R15+

スタッフ

監督 ルカ・グァダニーノ
製作 マルコ・モラビート ブラッドリー・J・フィッシャー ルカ・グァダニーノ デビッド・カイガニック シルビア・ベンチュリーニ・フェンディ フランチェスコ・メルツィ・デリル ウィリアム・シェラック ガブリエレ・モレッティ カルロ・アントネッリ
製作総指揮 キンバリー・スチュワード ローレン・ベック ジョシュ・ゴッドフリー ステラ・サビーノ ジェームズ・バンダービルト ロベルト・マンニ マッシミリアーノ・ビオランテ
脚本 デビッド・カイガニックオリジナル
脚本 ダリオ・アルジェント ダリア・ニコロディ
撮影 サヨムプー・ムックディープロム
美術 インバル・ワインバーグ
衣装 ジュリア・ピエルサンティ
編集 ウォルター・ファサーノ
音楽 トム・ヨーク
音楽監修 ロビン・アーダン

キャスト

ダコタ・ジョンソン スージー・バニヨン
ティルダ・スウィントン マダム・ブラン
ミア・ゴス サラ
クロエ・グレース・モレッツ パトリシア
ルッツ・エバースドルフ ジョセフ・クレンペラー
ジェシカ・ハーパー アンケ
アンゲラ・ビンクラー
イングリット・カーフェン
エレナ・フォキーナ
シルビー・テステュー
レネ・ソーテンダイク
クリスティーン・ルブット
ファブリツィア・サッキ
マウゴーシャ・ベラ

解説

映画史に名を刻むダリオ・アルジェントの傑作ホラーを、「君の名前で僕を呼んで」のルカ・グァダニーノ監督が大胆にアレンジし、オリジナル版とは異なる視点から新たに描いた。1977年、ベルリンの世界的舞踊団「マルコス・ダンス・カンパニー」に入団するため、米ボストンからやってきたスージー・バニヨンは、オーディションでカリスマ振付師マダム・ブランの目に留まり、すぐに大きな役を得る。しかし、マダム直々のレッスンを受ける彼女の周囲では不可解な出来事が続発し、ダンサーたちが次々と謎の失踪を遂げていく。一方、患者だった若きダンサーが姿をくらまし、その行方を捜していた心理療法士のクレンペラー博士が、舞踊団の闇に近づいていくが……。「フィフティ・シェイズ」シリーズのダコタ・ジョンソンほか、ティルダ・スウィントンクロエ・グレース・モレッツら豪華女優陣が共演。イギリスの世界的ロックバンド「レディオヘッド」のトム・ヨークが映画音楽を初めて担当した。撮影はグァダニーノ監督の前作「君の名前で僕を呼んで」に続き、「ブンミおじさんの森」などで知られるタイ出身のサヨムプー・ムックディープロム。

映画.com imdbより引用


予告編

[鑑賞データ]

1/28(月)20:00 TOHOシネマズ新宿にて字幕版を鑑賞しました。

客席はほぼ8割くらいでした。

テーマ「転移」

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映画.comより引用

 

hulu

ネタバレあらすじ・感想

※今回のレビューは映画「ヘレディタリー 継承」のネタバレに少し触れていますので、まだ観てない方はそちらを先に見た方がいいかも。



オリジナルの方のサスペリアは未見です。
なので、オリジナルと本作の対比は語れないんですが、それでもすごく楽しめました。
あと、映画評論家の町山智浩さんの解説が素晴らしかったのとyoutubeにオフィシャル動画が上がっているので、真面目な評論はそちらをチェックしていただくといいと思います。



お話は6幕+1エピローグで構成されています。
ざっくりネタバレしながら説明すると、アメリカで生まれたスージーは、子供の頃からなぜか憧れたドイツのマルコス舞踊団に努力の末入団が決定します。
憧れのダンサーだったマダムブランに見出されて、さらに主役に空きが出たので主役の座をゲットします。
でも、このバレエ団の周囲で不可解な行方不明や死亡事故が起こっていて、それを訝る警察と精神分析医のクレンペラードイツ国内もテロが起こってものものしい様子。
舞踊団の建物の中では怪しげな儀式の後や、仲良くなったサラが前に仲が良かったパトリシアの失踪、次々にいなくなっていく同僚、怪しげなマルコス舞踊団の幹部のおばさんたち。
スージーは疑問を持ち儀式に使われたアイテム「フック」をクレンペラーに渡します。
そうこうしていると、公演の日になりクレンペラーも駆けつけます。
サラが出演直前にいなくなるのですが、サラ抜きで公演は行われますが上演中に戻ってきます。
しかし、魔女たちに脚を一度折られて無理やり直されているので舞台上で転倒し、舞台は中止となります。
翌日、すっかり舞踊団の顔となるスージー。同じ頃大戦中に生き別れになり死んだと思っていた妻アンクが急にクレンペラーの元に現れますが、それは罠で舞踊団の暗い部屋に全裸で押し込められます。
部屋ではトランス状態になった舞踊団メンバーが総出で儀式が執り行われています。この舞踊団は魔女の集団でした。
そしてこの集団のリーダーであるマルコスの新しい肉体としてスージーが選ばれていたのです。
ブランは止めようとしますが、首の後ろをやられて大量出血し、行動不能になります。
そして、ブランはスージーの体を乗っ取ろうと体を開きます。しかしスージーの中に別のものが入り自分は魔女のマザーサスペリオルムであることを告げ、この腐敗したマルコス舞踊団を正しく導きにきたことを宣言します。恐れおののくマルコスやマルコス支持派の魔女たちを次々惨殺するスージー、その後マルコスの犠牲となったサラやパトリシアなどには安らかな死を与えて儀式は終了しました。
翌日何もなかったかのように、レッスンを開始するダンサーたち、昨日の記憶は何も残っていない様子です。そして、マダムブランが舞踊団を去ったことが皆に伝えられます。
クレンペラーは自室のベッドで目が覚めます。
そこにスージーが現れて、アンクが死んでしまったのは自分の罪だと悔いるクレンペラーを癒し、昨晩起こったことの記憶とともに消し去ります。
そして現代、クレンペラーとアンクが暮らしていた家は幸せそうな家族が住んでいる様子が映されていました。

入れ物としての存在

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映画.comより引用

2018年末に観た映画「ヘレディタリー 継承」に少し似ているところがあるなぁというのが最初の感想でした。
何かの入れ物として生まれ、入れ物になるまで成長してあとは体を明け渡すという流れが、似ていますね。
僕の感想はこんな感じ

本当はクレンペラーが主人公?

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映画.comより引用

あらすじは一応スージー目線で書いてみたんですが、クレンペラーを主人公として書いていくことも出来たと思います。
結局謎だった生き別れになった妻がその後どうなったのかを魔女との交流によって知ることが出来たという男の話に。
このクレンペラーというキャラクターですが、ルッツ・エバースドルフという俳優がクレジットされていて、公式にはこの俳優の略歴のようなものもありますが、実はマダムブラン役のティルダ・スウィントンが演じているみたいですね。

マルコスの見た目

ナチスや当時のドイツ国内の政治運動などわかっていないとわけがわからないところが多い映画なんですが、個人的にマルコスのルックスがあのメタルゴッド「オジー・オズボーン」にそっくりだったのは、わざとなのかそれとも、悪魔的なもののオマージュとして使ったのかは是非監督に誰か聞いてもらいたいものです。

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imdbより引用

実はこのマルコスもまた、ティルダ・スウィントンが演じているようです。

おばさんが集団になったときのやな感じ

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imdbより引用

マルコス舞踊団は全員女性ですが、幹部の魔女たちは皆おばさんです。 この近所のおばさんの井戸端会議感というか、婦人会感て結構怖いですよね。だって絶対人の悪口言ってると思いますし、情報が伝わる速さとか勘の良さとか魔女としか思えないおばさんて多いですよね。

その他

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imdbより引用

このシーンでつい志村けんのコントを思い出したのは僕だけでしょうか?

関連

オリジナル版です。中古しかないってことは絶版なのか?

 

これをチェックすれば全部わかりそうですね。

 

ルカ・グァダニーノ監督はこの作品で知りました。

 

 

まとめ

観た後に歴史的背景など色々勉強してから再度観ると、より深くこの映画についてわかると思います。予備知識がないと結構わけがわからないのかも。。

オススメ度

(★★★★)4/5

こんな人にオススメ

・前作が好きな人
・魔女とか儀式的なものが好きな人
・歴史を勉強しながら映画を観る好きな人