東京映画日記

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ライ麦畑で出会ったら<ネタバレ>感想

ライ麦畑で出会ったら」ネタバレ感想

スクールカースト最下層な主人公のド直球な青春映画

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hulu

作品データ

原題 Coming Through the Rye 製作年 2015年 製作国 アメリカ 配給 東北新社、STAR CHANNEL MOVIES 上映時間 97分 映倫区分 PG12

キャスト

監督 ジェームズ・サドウィズ
製作 スタン・アードライク テディ・グレナン ジェームズ・サドウィズ
製作総指揮 ジェフ・スティーン アレクサンドル・ウッドワード
脚本 ジェームズ・サドウィズ
撮影 エリック・ハート
美術 ジャック・ライアン
編集 トッド・ホームズ

キャスト

アレックス・ウルフ ジェイミー・シュワルツ
ステファニア・オーウェン ディーディー
クリス・クーパー J・D・サリンジャー
ジェイコブ・ラインバック ハンク・マーカス
エリック・ネルセン テッド・タイラー
ジェイコブ・ローズ フレディ・ゴレシ
ゼファー・ベンソン ジェリー・シュワルツ
ルシア・スカラー 母
エイドリアン・パスダー ティアニー先生

解説

1951年の発売以来、青春小説の名作として読み継がれているJ・D・サリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」に魅了された青年の成長を描いた青春映画。69年、ペンシルベニア州。級友たちともなじめずに孤独な高校生活を送っているジェイミーは、「ライ麦畑でつかまえて」に感銘を受け、この小説を演劇作品として脚色することを思いつく。しかし、そのためには原作者であるサリンジャーの許可が必要であることを知る。隠遁生活をするサリンジャーに連絡を取ることは容易なことではなく、ジェイミーは演劇サークルで出会ったディーディーとサリンジャー探しの旅に出ることを決意する。ジェイミー役を「ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル」のアレックス・ウルフ、サリンジャー役を「アダプテーション」でアカデミー助演男優賞を受賞したクリス・クーパー、ディーディー役を「ラブリーボーン」のステファニア・オーウェンがそれぞれ演じる。

映画.comより引用


予告編

[鑑賞データ]

10/27(水)15:50 ヒューマントラストシネマ渋谷にて字幕版を鑑賞しました。

客席は3割くらい

テーマ「ピュアにやりたいことをやること」

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公式サイトより引用

青春小説として名高い「ライ麦畑でつかまえて」がらみの作品ということで早速見て見たのですが、とてもいい甘酢系の青春映画でしたよ〜

ざっくりネタバレあらすじ

時代設定は1969年。全寮制の高校に通う主人公ジェイミーは、情熱を持って演劇部で活動していますが、少し「中二」を拗らせていて、世の中を斜に構えて見ているせいなのか、まともな友達は存在せず割と孤立しています。

そして情熱を持って演劇をやっているにもかかわらずスター性はなく、同級生に主役を奪われています。演劇上でのヒロイン役の女の子が好きですが、どうもうまくいきません。でも、そんなジェイミーを何かと気にかけて話しかけてくれる同級生の女の子ディー・ディーという存在がいます。

ある日、そんな状況を打破しようとしたのか、ジェイミーの人生に影響を与えているであろう「ライ麦畑でつかまえて」を演目として上演することを思いつきますが、それには原作者の「J・D・サリンジャー」の許可が必要なことを知ります。

そうこうしていると、ジェイミーがサリンジャーへ宛てた手紙を同級生に回し読みされたり、寝ているところを爆竹で襲撃されたりと、彼の夢は周囲からバカにされ、大人からは理解されないところで感情が爆発します。

爆発したままの勢いで彼は学校を飛び出し、直接サリンジャーに会って許可を得ようと旅に出ます。

無謀にも徒歩で向かおうとしていたところに、ディー・ディーが車で現れ、そこから二人のサリンジャーに会いに行くという旅が始まります。

途中で、ディー・ディーと恋に発展しそうになりますが、何かがジェイミーを引き止めます。 それは、慕っていた兄との死別でした。

紆余曲折あってディー・ディーと両思いになったジェイミーは、サリンジャーには会うことができたものの、作品を誰かに脚色されることを嫌うサリンジャーから許可は得られません。 そこで、ジェイミーは無断で演劇にすることを実行し、上演は大成功となりました。

最後は勝手に上演したことを謝ることと、その時使った脚本を読んでもらうために再びディー・ディーとサリンジャーに会いにいきましたが、演劇の結果を聞かれただけで、脚本は読んではもらえませんでした。

しかし、ジェイミーはもうすでに夢を叶えていたのでそのままその脚本をサリンジャーの家の敷地内に落としてさっていきましたとさ。

雑感

ライ麦畑でつかまえて」はずいぶん前(10代のとき)に読みましたが、そのときは今よりもとてもイタイ人間だったので、主人公ホールデンに自分を重ねて読んでました。

10代という病気に人類は皆、大なり小なり感染して過ごすんだと思いますが、それが登場人物から伝わってくるのが良かったですね。

それは、大人や同級生から向けられる否定的な発言、視線、行動だったり、自分の「ジェイミー」という女みたいな名前だったり、ショッキングな身内の死など、主人公の自意識が傷つけられていく様子は見ていてとても痛いです。

そして、きっとイタイ青春を過ごしてきた人には嫌なフラッシュ・バックを起こすんじゃないですかね?(シャワー浴びてる時や寝る前とかにフッと思い出して悶える例のアレです)

でも、10代は元気があるのでそれを攻撃的に表現するために反発するし、クレイジーな行動をするんだと思います。

また、秋から冬にかけてのアメリカの田舎の情景が、今の季節にマッチしてるし、なんとなく昔を回顧させるのにとても美しくいい映像でした。 サリンジャーが行方不明で、それを探しにいくという謎解き要素もあったりして良かったですね。

 

一番好きなシーンはここでした

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映画.comより引用

 

ジェイミー役のアレックス・ウルフくんは2018年上映の「ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル」にも主演していましたが、この作品は2015年作品なので、出演順としてはこの作品のが先ですね。

自意識と戦う十代の様子をしっかり演じていたと思います。

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映画.comより引用

 

主人公を何かと気にかけてくれるディー・ディー

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映画.comより引用

本当にこんないい子いるんですんかね〜?

 

サリンジャー役のクリス・クーパー

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映画.comより引用

タフな悪役をいつも演じている印象ですね。

気になったところ

全力で隠れてるサリンジャーが比較的簡単に見つかるし、高校生の分際で車で女子と2〜3日旅をできてる時点でお前は勝ち組だからわがまま言うんじゃないよまったく!

関連

10代の頃に読んだ邦訳オリジナル版ですね

「The Catcher in the Rye」を「ライ麦畑でつかまえて」と訳すのは誤訳らしいですが、青春ぽくて個人的には好きなタイトルですね



こちら村上春樹訳版ですね

村上版は上記の理由もあって原題ままなのでしょうか?
どちらにせよ名作です。



主演のアレックス・ウルフくん出演作品としてはこの「ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル」ですね



映画部と演劇部という違いはありますがスクールカースト最下層ものということで。

hulu

まとめ

秋にフラッと映画館に立ち寄って観ると強烈なノスタルジーとかいろんなことを思い出せる映画だと思います。

オススメ度

(★★★★)5点満点中

こんな人にオススメ

・ノスタルジックに浸りたい人
・真夜中に自分の記憶の蓋を開けてネブネブしている人
・好きなものへの情熱を忘れている人