東京映画日記

主に映画のレビューについて書きます。

2018年まだまだあったインドの名作映画。偉大なインドのビジネスマンはお金のことなんか考えていなかった!映画「パッドマン」感想

映画「パッドマン」感想

2018年まだまだあったインドの名作映画。偉大なインドのビジネスマンはお金のことなんか考えていなかった!

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作品データ

原題 Padman 製作年 2018年 製作国 インド 配給 ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 上映時間 137分 映倫区分 G

スタッフ

監督 R・バールキ
脚本 R・バールキ
撮影 P・C・スリーラム
音楽 アミット・トリベディ

キャスト

アクシャイ・クマール ラクシュミ ソーナム・カプール パリー ラーディカー・アープテー ガヤトリ アミターブ・バッチャン

解説

現代のインドで、安全で安価な生理用品の普及に奔走した男の実話を映画化したヒューマンドラマ。インドの小さな村で最愛の妻と新婚生活を送るラクシュミは、貧しくて生理用品が買えず不衛生な布を使用している妻のため、清潔で安価なナプキンを手作りすることに。生理用品の研究とリサーチに明け暮れるラクシュミは、村人たちから奇異な目を向けられ、数々の誤解や困難に直面する。そんな彼の熱意に賛同した女性パリーの協力もあり、ついに低コストで大量生産できる製造機の発明に成功。農村の女性たちに、ナプキンだけでなく、その製造機を使って働く機械も与えようと奮闘するラクシュミだったが……。主演は「チャンドニー・チョーク・トゥ・チャイナ」のアクシャイ・クマール。共演に「ミルカ」のソーナム・カプール

映画.comより引用


予告編

[鑑賞データ]

12/10(月)21:35 TOHOシネマズ新宿にて鑑賞しました。

客席は5割くらいでした。

テーマ「Mad only become famous」

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映画.comより引用

 

hulu

多少ネタバレあらすじ・雑感

昔大久保で働いていた時にグレートインディアンというカレー屋さんによく行ってましたが、まさにグレートインディアンのお話でした。

 

お話を雑に解説しておくと、愛妻家で地域の人望もある技術者ラクシュミ(アクシャイ・クマール)は妻ガヤトリ(ラーディカー・アープテー)が生理中に自分と離れて、部屋の外で生活しなくてはならないインドの風習が気に入りませんでした。

ある日妻の持ち物を見ると、薄汚れた不潔な布で生理の処理をしていることにショックを受け、妻のために薬局で生理用ナプキンを買い、さぞ喜ぶだろうと思って妻にプレゼントしますが、インドではナプキンが非常に高価でそんな高価なものを買っていると破産してしまうと、妻に返品してくるように言われてしまいます。

がっかりしていると、同僚が出血するほどの怪我をします。ラクシュミはその止血にナプキンを使おうとすると「そんなもの使うな」と同僚からは白い目で見られますが、緊急事態のため構わずナプキンで止血し、病院に搬送しました。

すると医者から適切な応急処置だったことを告げられます。

その医者に妻とのやりとりを話すと、インドでは汚い布のせいでで病気に感染する女性も多いという医者の言葉もあって一念発起、生理用ナプキンを自分で作ることを思い立ちます。

その日から友人の商店から綿や布を譲ってもらい試作品を作成し、妻に使ってもらいましたが試作品は失敗でした。 何度か失敗を繰り返していると、そのうち男であるラクシュミが女の生理用ナプキンを作っているという噂が広がります。

ラクシュミは意に介しませんが、何より評判を気にするインドの保守的な田舎でその噂が広がるのは、妻や家族にとって耐え難い屈辱でした。

ある日決定的な出来事があり、とうとう妻や妹たちは出て行き、ラクシュミも村から出ることを余儀なくされました。

しかし、一度火がついたラクシュミは大学へ行き、安くて性能のいい生理用ナプキンを作るにはどうすればいいのか研究の日々が始まるのでした。。。

 

ラクシュミが考えたこのビジネス、とっても良いと思うのが、 「困っている人がいる」→「その解決方法を見つける」→「広める」→「多くの人が助かる」→「雇用が生まれる」→「多くの人が助かる」というとてもいい循環になっていること。

しかも商売っ気が全然ない。

まさに「大事を成さんと欲する者はまず小事を務むべし」by二宮尊徳って感じですね。

 

そして、やっぱりこの映画最大の見所は終盤ニューヨークでラクシュミが行うスピーチシーンでした。

この全文はパンフレットを買うと掲載されているので、この映画をみて面白かった人は絶対パンフレットも買ったほうがいいと思います。

 

ラクシュミは最初、ただ奥さんを幸せにしたかっただけなんでしょうが、イデオロギーのギャップが激しすぎる状況の中ではただの「ヘンタイおじさん」と見られてもしょうがないわけで、それでも諦めないし取り憑かれたように研究をやめない姿は、もはやマッド以外の何物でもないように見えてしまいます。 偉大な発明をなしとげる人はきっとみんなどこかマッドなんでしょう。

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映画.comより引用

 

 

何人か協力者が出てきますが、唯一ラクシュミの行動に理解を示してくれたパリー(ソーナム・カプール)の存在はかなり大きかったですね。

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映画.comより引用

 

 

製造はラクシュミが頑張りましたが、拡散したりそれをビジネスとして成立させるのにパリーの存在は欠かせないものでした。 この妻のためにラクシュミは一念発起するのですが。。。

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公式サイトより引用

 

 

すごく感動した映画ですが、不満点もなくはないです。 いくら文化の違いなどあり、いくらやむを得ない事だとしても夫の元を去っておきながら、成功したらあっさり帰ってくるってどうなんだろう? まあ、ラクシュミがOKならいいのかなぁ。。。(母親、村人たちオメーらもだよ!)

関連

僕の中でインド映画の鉄板といえばアミール・カーン作品ですね。

 

バーフバリも大好きです。

 

ラクシュミ役のアクシャイ・クマールさんの主演作らしいです。僕は観てません。

 

 

まとめ

利他的な行動は大事だし、人を感動させることを再認識しました。自分も隣人に親切にしようと思う映画です。

オススメ度

(★★★★)4/5

こんな人にオススメ

・行き過ぎた親切は人を引かせてしまうと知らない人
・日本がどれだけ恵まれた環境かわかってない人
・自分は奥さんを大切にできているかわからない人

もしもシリーズ「もしもタイの刑務所にマイノリティとして入ったら?」というのを嫌という程味わえます。映画「暁に祈れ」感想

映画「暁に祈れ」感想

もしもシリーズ「もしもタイの刑務所にマイノリティとして入ったら?」というのを嫌という程味わえます。

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作品データ

原題 A Prayer Before Dawn 製作年 2017年 製作国 イギリス・フランス合作 配給 トランスフォーマー 上映時間 117分 映倫区分 R15+

スタッフ

監督 ジャン=ステファーヌ・ソベール
製作 ニコラス・サイモン ロイ・ボウルター ソロン・パパドプーロス リタ・ダゲール
製作総指揮 ジェームズ・シェイマス ジェニファー・ドン ウッディ・ムー ピーター・ワトソン
原作 ビリー・ムーア
脚本 ジョナサン・ハーシュビーン ニック・ソルトリーズ
撮影 ダビド・ウンガロ
美術 レク・チャイヤン・チュンスティワット
衣装 ルプタ・ウタマ
編集 マルク・ブクロ
音楽 ニコラス・ベッカー

キャスト

ジョー・コール ビリー・ムーア ポンチャノック・マブラン フェイム ビタヤ・パンスリンガム フリーチャー所長 ソムラック・カムシン スティン パンヤ・イムアンパイ ゲン

解説

タイの刑務所に服役し、ムエタイでのし上がることに成功したイギリス人ボクサー、ビリー・ムーアの自伝小説を映画化したアクションドラマ。タイで自堕落な生活から麻薬中毒者となってしまったイギリス人ボクサーのビリー・ムーアは、家宅捜索により逮捕され、タイでも悪名の高い刑務所に収監される。殺人、レイプ、汚職がはびこる地獄のよう刑務所で、ビリーは死を覚悟する日々を余儀なくされた。しかし、所内に新たに設立されたムエタイ・クラブとの出会いによって、ビリーの中にある何かが大きく変わっていく。「グリーンルーム」のジョー・コールが主人公ビリー役を演じる。監督は「ジョニー・マッド・ドッグ」のジャン=ステファーヌ・ソベール。

映画.comより引用


予告編

[鑑賞データ]

12/24(月)19:00 シネマート新宿にて字幕版を鑑賞しました。

客席は満席でした。

テーマ「地獄めぐり」

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映画.comより引用

 

hulu

多少ネタバレあらすじ・雑感

ムービーウォッチメンのウォッチ作品になったので、いそいそとクリスマス・イブの夜に見に行ってきました。

客席は満席でしたがそりゃあクリスマスにこんな映画を見にくる狼たちなので、カップルはおそらく一組か二組くらいで、あとは血に飢えた野郎どもの一体感が支配する劇場内でしたよ。

 

お話は、タイでムエタイやりながら自堕落なその日暮らしをしている主人公ビリー(ジョー・コール)で、薬もおそらく暴力的な犯罪にも手を染めていると思われ、ガサが入り拳銃の不法所持であっさり冒頭捕まるんですが、なんと収監された刑務所はマッドマックスばりの劣悪な環境でした。

全身どころか顔にも刺青が入っているヤクザが暴力的に仕切っていて、暑い中部屋のキャパを超えた人数がすし詰め状態で寝なければならず、弱みを見せると夜中にイカツイおっさんたちにレイプされてしまうという環境です。そんなおかしくなりそうな環境の中、刑務官は囚人相手にドラッグをわたし商売しているような奴もいるので、精神的にキツイ主人公は当然薬にも手を出します。

しかし、元々金を持っていないのにも関わらずヤクザから借りたり、ときおり訪れるニューハーフ(おそらく購買部販売員という名目で実質的には売春婦的な役割を担っている)から借りたりして借金がどんどん膨らんでいきます。 そんな時に刑務所内にムエタイのチームが発足します。 ヤクザから激しい追い込みをかけられていた主人公は、ムエタイチームに入り勝ち上がって金を返すことを目指すのでした。

 

 

いやー絶対こんな刑務所入りたくないですねー。あ、この映画を観た人100%の人が思う普通のことを書いてしまった。。

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映画.comより引用

 

 

最悪な刑務所を描いた映画とかドラマって結構ありますが、アメリカのものが多くて大体揉め事は人種に分かれていることが多いです。ここは、ほぼタイ人しかいない中に白人である自分が入れられるという完全マイノリティ状態ですからね。 しかも言葉が通じない。。みんな同じ顔に見える(つまりみんな敵に見える)ので、それは恐ろしいだろうと思います。

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映画.comより引用

 

ところどころタイ人たちが話す部分の字幕が出ていたんですが、それが最小限に抑えられていて観客のこちらとしても、タイ人が何を行っているのかがあまりわからない作りになっているので、擬似的に主人公と同じ状況に追い込まれることにより、何が起こっているのかがあまりわからないという所があえて説明しないことによる、主人公の恐怖と混乱具合、ストレスをうまく観客に伝えるのに成功していると思います。 主人公ビリーは薬のせいなのかストレスのせいなのかとにかく脳の本能的な部分しか使ってないという感じで、感情を顕にはしますが人間的ではなく動物的な感じでした。

 

刑務所内での憩いのひと時を貼っておきますね。

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映画.comより引用

 

あと、殴られる音、刺される音、犯される音とにかく音が本当に嫌な映画でしたね(褒めてます)

 

不満点もなくはないのですが、まず「ムエタイの大会に出て勝てば金が入るから」と主人公は借金取りに言いますが、賞金に関する具体的な金額に関する言及はなかったように思います。(ひょっとしたらあったのかな?) いくら借りていて、賞金がいくらだから返せるとかその辺の情報は欲しかったなと。 あと主人公の刑期を言い渡されるシーンてありましたっけ?裁判のシーンすらもなかったような。。。

関連

主人公ビリー役のジョー・コールが出ているネオナチとの攻防もの映画です。

 

最悪の刑務所の一つといえばアメリカでしょうということで。

 

刑務所ものの名作といえばやっぱりこれですね

 

 

まとめ

平々凡々とした人生を生きている僕には映画こそ刺激を与えてくれる存在で、この映画はそんな刺激を十分に与えてくれるものでした。

オススメ度

(★★★★)4/5

こんな人にオススメ

・最近刺激が足りないなと思っている人
・これから海外で調子に乗る予定の人
・アジアの刺青を研究している人

池松さんのアノ姿が見どころです。映画「斬、」感想

映画「斬、」感想

キレイ事だけでは済まない、激動の時代の血塗られた通過儀礼の話。池松くんのアノ姿が見どころです。

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作品データ

製作年 2018年 製作国 日本 配給 新日本映画社 上映時間 80分 映倫区分 PG12

スタッフ

監督 塚本晋也
製作 塚本晋也
脚本 塚本晋也
撮影 塚本晋也 林啓史
美術 遠藤剛
衣装 宮本まさ江
編集 塚本晋也
音楽 石川忠
サウンド 北田雅也
殺陣 辻井啓伺
時代考証 大石学助
監督 林啓史

キャスト

池松壮亮 都築杢之進
蒼井優 ゆう
中村達也 源田瀬左衛門
前田隆成 市助
塚本晋也 澤村次郎左衛門

解説

「野火」「六月の蛇」の塚本晋也監督が、池松壮亮蒼井優を迎えて描いた自身初の時代劇。250年にわたって続いてきた平和が、開国か否かで大きく揺れ動いた江戸時代末期。江戸近郊の農村を舞台に、時代の波に翻弄される浪人の男と周囲の人々の姿を通し、生と死の問題に迫る。文武両道で才気あふれる主人公の浪人を池松、隣人である農家の娘を蒼井が演じ、「野火」の中村達也、オーディションで抜擢された新人・前田隆成らが共演。「沈黙 サイレンス」など俳優としても活躍する塚本監督自身も出演する。2018年・第75回ベネチア国際映画祭コンペティション部門出品。

映画.comより引用


予告編

[鑑賞データ]

12/18(火)21:10 ユーロスペースにて鑑賞しました。

客席は2割くらいでした。

テーマ「通過儀礼

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映画.comより引用

 

hulu

多少ネタバレあらすじ・雑感

ムービーウォッチメンの課題映画ですね!

江戸時代の末期の農村を舞台にした話で、通過儀礼の話なんだと思います。久々の時代劇でしたがタイトな長さで、メッセージもわかりやすく見やすい作品でした。

 

お話をネタバレ全開で適当に書いておくと、江戸近郊の農村で農家の手伝いをしたり、農家の息子(市助)に剣術の稽古をつけたりながら居候をしている都築は江戸末期の時代の移り変わりを感じながら過ごしていました。

農家の娘ゆう(蒼井優)と都築は惹かれあっていましたが、結ばれてはいないようでいつか来る旅立ちに備えていました。

ある日、浪人同士と思われる果し合いの現場を目にしますが勝敗の決着を悟ると、その場を後にします。その果し合いに勝利した澤村(塚本晋也)は、その後稽古をしている都築と市助を目にし、声をかけます。

曰く、「近々あると思われる大きな戦に備えて江戸から京都へ向かうので一緒に戦おう。」

侍として、立身しようと思っていた都築はその話に乗り、また市助も農家出身でありながら都築との稽古で自信を付けているため一緒に行こうということになります。

出発前日、村には怪しい影が。

それは職にあぶれ野盗のようになった野武士たちの集団でした。

都築は穏やかな物腰でリーダーと思しき男源田(中村達也)と話し、夜には酒を酌み交わしてなんとかその場を取り持ちます。

粗野な集団ではありますが、悪いものからしか盗らないという彼らは、その村の近くでしばらく過ごすようでした。

都築は深夜眠れず身を起こすと、外にはゆうが様子を見にきています。

しかし、壁越しに少し触れ合っただけで翌朝を迎えます。

翌日礼を言って都築は旅立とうとすると、急に倒れこんでしまいました。高熱が出ていたのです。出発は1日延期になりました。

決めた覚悟の出鼻をくじかれた市助は苛立ち、木刀を振り回しながら表を歩いていると運悪く野武士の集団に出くわします。

からかわれた市助はつい手を出してしまい壮絶な返り討ちにあってしまいます。 同じ組のものがやられたとあっては黙っていられないと澤村は報復に行きます。源田一人を取り逃がしますが、「おそらくもうこれで大丈夫」の一言に村は沸き立ちます。

しかし、その夜市助の一家が仕返しで惨殺されてしまいます。 報復合戦を避けるようにこれで終わりにしようという都築に対して、今度こそ全員を始末するためにもう一度野盗のところにいくという澤村。ひとまず二人で向かおうとすると弟市助を殺されたゆうも付いてきていました。

ねぐらに到着すると、人を殺したことがない都築に一皮向けてもらいたい澤村は抜いた刀を地面に突き刺したところで源田たちが帰ってきました。

そして帰るように促していたゆうが野盗に捕まっていました。

押さえつけられる都築と犯されかけるゆう。その時あっという間に澤村は野盗たちを全員切って捨てました。

最後まで都築は野盗を切れませんでした。

その夜、都築は江戸行きのことを考えられなくなるほど激しく動揺しましたが、一皮剝ける好機と捉えた澤村は翌朝自分と一緒に江戸へ向かうか自分に切られるかどちらかを選べと言い去ります。

翌朝、都築を迎えにいくと都築は姿を消していました。 おそらく山へ逃げたと思われるため、澤村はゆうと後を追います。

近くまで追いついたと思われた時、昨日野党から受けた一撃が澤村の心境に変化を与えます。 自分と果たし合いを行い、勝ったならお前が江戸に行けと言い放ちます。 倒れている都築を見つけた澤村は刀を構えます。

そのただならぬ殺気に、目を覚ました都築と澤村の果たしあいが始まります。

腕はおそらく澤村の方が少し上。先に澤村の一撃が縦に都築の右半身を捉えます。

すんでの所で致命傷を避けますが、万事休す。 しかし交錯した刹那、都築の一撃が澤村を捉え、都築は生きながらえました。

この後都築はどうなったんでしょうか?という感じです。

 

 

凄腕だが老いを感じている浪人の澤村(塚本晋也)が求めているのはおそらく侍としての死に場所でしょう。

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映画.comより引用

 

 

侍としては覚悟も腕も完成されていますが、明らかに全盛期は過ぎて侍として死ねるラストチャンスに賭けている浪人です。 そしてこちらも凄腕ですが、人を切ったこともおそらく女を抱いたこともない浪人の都築(池松壮亮)が求めているのは、侍として世に出ること。

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映画.comより引用

つまり、これから閉じていく侍と、開いていく侍を対比させていると思います。 煮え切らない都築は好きな女を抱くこともできないというのを、オナニーというシーンで表していましたし、好きな女が犯されそうになっているのにその者を切ることができないヘタレで、覚悟もないものが侍として生きてはいけないというのを命を賭けて若者に伝えて、己の武士道を都築に託したんでしょう。 なんというか、生きていくための「覚悟を持て」と塚本監督からビンタをされたような気持ちで見ていましたよ。 あと、この映画何がすごいって殺陣の迫力がすごかったです。

 

 

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映画.comより引用

ただ、別に難癖は付けたくないんですが、映画のルック的にはちょっとテレビっぽいというか映像的なリッチさはあまりなかったのと、田んぼとかもなんか昔の田んぼっぽくないなーと思ってしまいました。

関連

塚本監督作品でグッときたのはこれですね。今回も出演されている中村達也さんが出演されています。

 

塚本監督のこの作品、今huluで観れますね。重要カルト作品です。

 

これ読んでみようかな。。

 

 

まとめ

たるんでいた自分に喝を入れてくれるいい映画でした。

オススメ度

(★★★★)4/5

こんな人にオススメ

・最近自分が弛んでいるなと思う人
・実は時代劇が好きだという人
塚本晋也監督作品ファンの人